12/07/2026
『中洲の歴史とともに歩んできた大人味の明太子屋さん』
福岡で観光タクシーの仕事をしている
「福岡でおすすめの明太子屋さんはどこですか?」と聞かれることがよくあります。
もちろん、福岡には全国的に有名な明太子メーカーがたくさんあります。
しかし、もし「せっかくなら地元らしいお店を訪ねてみたい」「歴史のある福岡の味を知りたい」と言われた時、私がご紹介することがあるのが、中洲市場に店を構える老舗明太子店「いとや」さんです。
現在の中洲といえば、屋台やネオン、九州最大の歓楽街というイメージを持たれる方が多いかもしれません。
ですが、中洲はもともと商人たちの町でした。
江戸時代、福岡藩初代藩主・黒田長政が福岡城を築いた際、城下町整備によって形成されたのが中洲の始まりです。
そして戦後の復興期、この場所には多くの商人たちが集まり、市場が形成されました。それが現在も残る「中洲市場」です。
観光客で賑わう華やかな中洲のすぐそばに、戦後の博多を支えた市場文化が今も息づいているというのは、とても興味深いことだと思います。
昭和23年(1948年)創業の「いとや」は、まさにそんな中洲市場とともに歩んできたお店です。
創業当初は乾物や海産物を扱う商店としてスタートし、その後、辛子明太子の製造販売を手掛けるようになりました。つまり、「いとや」の歴史は、そのまま戦後の博多と中洲市場の歴史でもあるのです。
明太子そのものにも、老舗らしいこだわりがあります。
原料には北海道産のたらこを使用し、一腹一腹を丁寧に仕込みながら、昔ながらの製法を守り続けています。
口に入れると粒がしっかり立っていて、噛むたびにプチプチとした食感が広がります。
味付けは甘さを控えたしっかりした旨味とピリっとした辛さが�