
07/09/2025
― 野沢温泉に秋を告げる幻想的なお祭り ―
毎年9月8日・9日に行われる「湯澤神社例祭」は、江戸時代中期から後期にかけて始まったといわれる、野沢温泉村を代表する伝統行事です。
地元では「燈籠祭り」や「燈籠連れ」とも呼ばれ、村人にとっては神さまへの祈りの場であると同時に、昔は数少ない娯楽のひとつでもありました。
かつては「けんか祭り」と呼ばれるほど勇ましく、神さまへの祈願をめぐって競い合うような場面もあったと伝えられています。現在は地域の皆さんの協力のもと、より華やかで幻想的な秋の祭りとして受け継がれています。
見どころ
① 燈籠行列(燈籠連れ)
提灯に火を灯した色とりどりの燈籠が夜の温泉街を進む姿は圧巻です。
行列は十王堂前を出発し、猿田彦(天狗)の舞で神さまを迎える道を清め、獅子が道中の悪霊を追い払います。子どもたちによる「三十六歌仙の舞」が披露され、大湯通りを通って湯澤神社へと向かいます。
行列に加わる燈籠はとても多彩で、制礼燈籠・御幣燈籠・花燈籠・鈴燈籠・奴燈籠・三十六歌仙燈籠など、100本以上もの灯りが温泉街を幻想的に照らします。
見どころのひとつは、奴燈籠を持った子どもたちが燈籠を叩き合わせる勇ましい場面です。
② 神楽(伝統舞楽)
湯澤神社舞楽保存会によって受け継がれてきた舞が奉納されます。
・猿田彦の舞(シメ切り)
・獅子舞
・剣舞(岩戸開き太刀舞)
・御幣舞(悪魔祓い)
どの舞も、神さまを迎え、悪いものを祓い、村の安全と豊穣を願う大切な意味が込められています。
③ 厄除け御神輿「湯澤神社厄除神輿」
1930年(昭和5年)、村の有志・上野源之助氏が42歳の厄年に、5年の歳月をかけて奉納した御神輿です。
重さはなんと400kg以上! 豪華絢爛な姿は全国的にも珍しいといわれています。
この御神輿は「厄除神輿」と呼ばれ、毎年9月9日に42歳と25歳の厄年を迎えた村人たちが担ぎ、村内を練り歩きます。威勢の良い掛け声とともに進む姿は、祭りのクライマックスとして多くの人を魅了します。
まとめ
湯澤神社例祭は、何百年も続く信仰と娯楽が融合した、野沢温泉ならではの伝統行事です。 燈籠の柔らかな光に包まれる温泉街を歩けば、まるでタイムスリップしたかのような幻想的な雰囲気にひたることができます。
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