20/02/2018
【戸隠かぞえ詩・九つ/人】
その昔、修験道の僧や信仰を持った一部の人しか近づけ得なかった聖地・戸隠も、今や信仰の有無、性別、国境に関わらず、だれもが訪れることのできる観光地・戸隠になりました。
観光。わたしたちが知らず知らずのうちに使うようになったこの言葉は何のことでしょうか?
人々は戸隠にどんな「光」を見出し、足を運ぶのでしょうか?
それは、戸隠神社の祭事でしょうか?
それは、鏡池の紅葉でしょうか?
はたまた、戸隠そばでしょうか?
その問いに、ある人はこう答えました。
“光は、「その土地に暮らす人々の営みの豊かさ」の中にある”と。
その美しさは、お祭りのような「ハレ」の日の輝きではなく、人々の日々の暮らしの中にあるのだと。
おいしい野菜、おいしいおそば、あたたかな部屋、あるいは、美しい参道、安全な登山道、整ったゲレンデ…その陰には、戸隠の自然や文化を誇りに思い、次世代に継いでいきたいと切に願う人々の努力があることは、いうまでもありません。
戸隠には、きらびやかな観光施設も、インスタ映えするカフェも、大勢の人を泊められる温泉旅館も、最新型のゴンドラを備えたスキー場もありません。
そこにあるのは、ありのままの自然です。
そして、そこに神を見出し、祈り、守り、継いできた先祖と、バトンを渡された我々。
神と人、生きとし生けるものが、共存する戸隠。
温かな戸隠人の心に灯された「光」が、ここ戸隠を照らしています。